2005年4月5日

昔は「本さえ出ればいいや」などと思っていた私ですが、細々とでも本や原稿を書く身となってみますと、本が売れないのは気になるものです。特になかなか増刷にならないと、編集者の方に悪いという気がしてくるのは、小心者らしい性格のせいでしょうか。そんなわけで、去年出しました「びっくり先進国ドイツ」が1500部増刷され、総計8500部になったという連絡を、今日新潮社から頂いて、ほっとした次第です。

日本の本屋さんに行くと、おびただしい本の量で、なにか頭がくらくらしてきます。静かなドイツから、ひさしぶりに帰国して日本の書店に入ると、最初の数分は喜び勇んでいるのですが、あまりにも本や雑誌の数が多いので、どの本を手に取ればいいのか、わからなくなってしまうのです。このような本の大洪水の中で、私の本を買って下さる方がいるというのは、本当にありがたいことです。

これも読者の皆様のおかげ。本当にどうもありがとうございます。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

ミュンヘンは今日も16度前後の気温で、北国の春を思わせる1日でした。Amselという鳥が美しい声でさえずって、春の到来を告げていました。ドイツ社会には、出世している人ほど攻撃的な人が多いので、日々の糧を得るためとはいえ、やむをえず話をしていると、ひどく疲れます。しかし会社から1歩外に出れば、美しい自然が待っているので、すこし気持ちが落ち着きます。

私が週末にジョギングをするニュンフェンブルグ宮前の水路も氷が溶け、白鳥や鴨、日本にはいないくちばしの赤い水鳥などが、泳ぎ回っています。気の早いドイツ人は、すでに半袖や袖なしの服を着て、ベンチの上で陽光を浴びています。